超高齢者社会の到来 |
日本では、21世紀には国民の4人に1人は65歳以上という超高齢社会が到来します(リンク1参照)。65歳以上の老年人口は1995年の1,826万人から2025年の3,300万人までは急速に増加を続け、2015年には25%台に達し、その後も低出生率の影響を受け上昇を続け、2050年には32%に達すると推測されています。そのため人口ピラミッドは全体として高齢化します。
人口が高齢化する要因としては、1つには死亡率が低下し、平均寿命が延長することと、もう1つは出生率の低下による子供の数が減少することです。
日本における高齢化の特徴
特に日本における高齢化の特徴は、欧米先進諸国に比較して高齢化の進行速度が速いことが特徴です。65歳以上の老年人口が全体の7%に達すると高齢化社会と呼ばれ、そしてその2倍の14%に達すると高齢社会と呼ばれます。
人口高齢化の速度を見ると、高齢化社会から高齢社会に移行するまでに、日本以外の先進諸国ではかなり長期にわたっていてフランスでは115年、それに対して日本はわずか24年と大変短いのが特徴で、いかに急速に高齢化が進行したかがわかります。2010年から2025年までは、先進国の中で日本の高齢化率が最も高くなると予想されています。
医療・福祉への影響が大
日本では、高齢人口の急速な増加の中で、準備期間が非常に短いけれども、医療、福祉など増加する高齢人口の問題に対応することが急務です。
このような高齢社会の到来の中で、従来の医療制度、老人保険制度では対応しきれない問題が生じ、高齢者の医療は若年者の医療と異なった立場で取り組む必要性が生じてきています。
たとえば、日本における急速な高齢化は、医療や福祉の分野でも非常に影響が大きく、疾病構造の変化や要介護者の数も急増しています。その上で家族制度など社会構造の変化もきていて、家族構成上、核家族化が進み、単独世帯、夫婦のみの世帯、夫婦ともに65歳以上の世帯などが増加していて、介護可能なものが少なくなり、在宅で介護する能力が減少しています。そのため、いったん高齢者が障害を有した場合には、自宅での生活を選択するのか、施設での生活を選択するのか、重要な問題となります。
高齢者は個人差が大
また高齢者は他の年齢層に比べ、個人差が非常に大きいことがあげられます。この個人差は、ライフスタイルの違い、住む環境状況の違い、過去に経験してきたことの違いにより生じ、そのため高齢者は、社会的背景が個人で大きくことなるため、部分的で一方的な見方では偏りがあり、広い視野にたって個人や集団、そして地域社会に対応していくことが大切です。