孤独死 |
孤独死(こどくし)とは主に一人暮らしの人が誰にも看取られる事無く、当人の住居内等で生活中の突発的な疾病等によって死亡する事である。特に発症直後に助けを呼べずに死亡するケースがこのように呼ばれます。
また社会的孤立のために、住居内で死後他者に気付かれず遺体がそのままとなったケース(特に事件性は無いもの)においては孤立死(こりつし)とも表現され現在社会問題となっています。
年間1万5000人を超えており、ますます増加傾向にあると言われています。
孤独死高齢者1万5000人超(医療介護CBニュース)
4割超「孤独死は身近」と感じる 内閣府の高齢者意識調査 |
「高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査」によると、誰にもみとられず亡くなった後に発見される「孤独死」について、60歳以上の高齢者の43%が「身近な問題」と感じていることが分かった。
世帯類型別では、独り暮らしの65%が身近と回答、夫婦2人暮らしでも44%が身近だとした。
大都市に住んでいる人ほど孤独死を心配する傾向が強く、東京23区と政令指定都市に住む人で47%に上った。
人口10万人未満の市では39%だった。
調査は昨年10~11月、、高齢者と地域社会とのつながりを把握する目的で初めて実施。
60歳以上の男女5千人が対象で有効回答率は70%だった。
孤独死を身近に感じる理由は「独り暮らし」(30%)が最も多く、「近所付き合いが少ない」(26%)、「家族、親せきと付き合いがない」(11%)と続いた。
また、内閣府が併せて発表した「高齢者の日常生活に関する意識調査」では、将来の日常生活に不安を感じる人が72%と、5年前の前回調査より4ポイント上昇。
環境 |
特に都市部などの地域コミュニティが希薄な地域が多いとされ、また震災などによって地域コミュニティが分断されている場合にも発生しやすい。当然、過疎地域等では民家が疎らであるため隣家が気付きにくい部分もある。なお生活様式では、以下のような特徴が挙げられる。
- 高齢者
- 独身男性(配偶者との死別を含む)
- 親族が近くに住んでいない
- 定年退職または失業により職業を持たない
- 慢性疾患を持つ
- アパートなどの賃貸住宅(隣家に無関心)
これらでは子供夫婦の家庭も核家族向けの賃貸住宅で身を寄せると子供や孫の生活に迷惑が掛かるとして遠慮して独居を選ぶ人も増えており、上に挙げたような状況に陥る人も少なくないことから潜在的な孤独死予備群は年々増加の一途をたどっていると考えられている。
なお2000年代後半に入っては、孤独死が社会問題として広く認識されるようになったことを背景に、70歳を越える後期高齢者への周囲の関心度が高くなる傾向があり、孤独死から長期間気付かれないなどの問題が抑制されているが、それと相反するように60代、特に65歳以下だと気付かれにくい傾向も見出せる。65歳以下の孤独死が気づかれにくい原因として、それらの高齢者がある程度は活発に行動することもあり、周囲が不在(突然に姿を見せなくなるなど)に気付いても、何らかの事情で住居を離れているのではと考えるなどして、結果死去に気付かないといった傾向も強まっている。
考えられる死因 |
心筋梗塞(循環器障害)や脳溢血(脳疾患)などといった急性の疾病発作などが直接の原因に挙げられるが、肺炎により日常生活が困難になって餓死するケースや肝硬変で意識不明に陥りそのまま亡くなるケースも報じられている。
また家の中で転倒して骨折して電話で助けを呼べずに衰弱死するケースもあり高齢者が多いながらも体力のある青年層や中年層でも、また成人病罹患者によらずとも高齢者以外が何等かの原因で助けが呼べずに衰弱して死亡するケースも見られる。特に近年の日本では、慢性的な不景気から生活に困窮してそのまま亡くなるという事態の発生も懸念される。
これらの問題に絡んで近年増加中の老老介護(高齢者がその親を介護している事例)等でも介護していた側が急病などで突然死し副次的に動けない要介護者側が餓死するケースも多く確認されており、これも別の形の孤独死として問題視されている。
発生要因的には孤独死となんら変るところがなく特に要介護者側が3日~一週間程度は存命している場合も多く、これの予防は他の孤独死よりも防止しやすいはずではあるのだがたびたび発生し問題視されている。
孤独死によるトラブル |
孤独死に絡んで居住していたマンションやアパートで孤独死を遂げた人の遺族に対し、家主や不動産会社などが補償金などの名目で法外な請求を行うケースが多数報告されている。遺族にとっては身内を失ったショックに、さらに追い討ちをかけるものと言える。宅地建物取引業法では家主や不動産会社は部屋を貸す際に重要事項を事前に説明することが義務付けられているが孤独死は同法上の重要事項には該当しないとされており、また行政側も「民事上の問題」としてこの問題に対して介入を避けているのが実情で解決への方策が採られるには程遠い現状である。
対策 |
当人が積極的に親族に連絡を取り合ったり町内自治会や趣味の同好会といった地域コミュニティに参加する事や訪問介護(ホームヘルパー)や地域ボランティア団体による訪問サービスといった介護制度の利用が勧められる。</sup />
過去にも定期的に訪問していたヘルパーが「いくら呼んでも出ないのに家の電気はつきっぱなし」などといった異常に気付いて通報、辛くも救助された事例もある。この他、新聞配達や食料品・日用品・給食宅配などといった宅配サービス提供者の従業員が異常に気付いて知らせたケースもある。
近年では都市部に限らず地方町村でも高齢化により従来からある地域コミュニティ分断により孤独死の発生が懸念されるため、地方自治体が高齢者宅をコンピュータネットワークで結んで在宅健康診断等のサービスを提供するなどして予防に努める所も出てきている。
従来からある地域コミュニティの老人会も同種問題を防止するため、相互に訪問しあったり電話連絡しあうことで安否の確認を行うなどして連絡が途絶えるなどの異常が発生した際には最寄の警察官やホームヘルパーが駆け付ける体制を持つ自治体もある。このような体制により風呂場の脱衣場で倒れている人が助かったり、骨折により動けず衰弱しかけていた人が発見され一命が取りとめられたケースも報じられています。
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